課題図書紹介
冬休みの課題図書は4冊です。(毎年、年末年始の帰省や研修旅行に課題図書を持って行く人もいるとか…?)図書委員さんからのレビューを紹介します!
金井真紀『世界はフムフムで満ちている』ちくま文庫
📖「バイトの面接をするとき、どこを見るんですか」
「くちびるです」
「くちびる…」
この印象的な会話は、筆者ととあるコンビニ店長とのやり取り。これは、さまざまな分野の“達人”たちから仕事のコツや哲学を集めた一冊です。海女さん、占い師、映画プロデューサー、お笑い芸人、似顔絵捜査官、メーカーのクレーム対応係に…なんと靴磨きの人からも!どの人も、自分の仕事に信念を持ち、真正面から向き合っています。その積み重ねが、私たちの日常を静かに、しかし確かに支えていることに気づかされるのです。読み進めるうちに「ほほぅ」「そんな考え方もあるのか」と驚き、最後には思わず「フムフム」と深く頷いてしまうでしょう。(5組 Iさん)
※2年前、この本がヒントとなり、中杉ダンス部は夏のコンテストで「海女さん」をテーマにして魅力的な作品を作り上げたのです。課題図書が創作のきっかけになるなんて素敵ですね。
ディケンズ(村岡花子訳)『クリスマスキャロル』新潮文庫
高野和明『ジェノサイド』上・下 角川文庫📖みなさんが世界を動かすほどの権力をもっていたとします。もし私たち現生人類の能力や知能をはるかに超える新たな人類が現れたとしたら、どのような選択をするでしょうか。わたしたち現生人類は、ネアンデルタール人やデニソワ人よりも優れた知能を持っていたがゆえに、彼らを滅ぼし、現在の世界を築いてきました。つまり、私たちよりも優れた存在が現れたとき、今度は私たちが滅ぼされる側になる可能性もあるのです。しかし、もしその新たな人類に排除の意識がなかったとしたら、医療や科学は飛躍的に進歩するかもしれません。抹消するのか、保護するのか、それとも利用するのか――みなさんならどの選択をしますか。この本は、イラクで戦うアメリカ人傭兵と、日本で薬学を専攻する大学院生という、全く無関係な二人が、新たな存在をきっかけに大きな行動に出る物語です。果たして彼らの運命はどうなるのでしょうか。そして、その存在を知った超大国アメリカはどのような行動に出るのでしょうか。これは決して遠い未来の話ではないのかもしれません。ぜひ現実感を持って読んでみてください。(7組 Iさん)
ある卒業生の方が、この本がきっかけで「子ども兵」の存在を知り、もっと国際的に法の課題を捉えたくて、中央大学法学部の国際企業関係法学科に進みました。
今、彼女は弁護士となり、日々グローバルな課題解決に取り組んでいます。
この言葉が、この世界観が、この読後感が、これからの自分を作ってゆく―――皆さんも、課題図書でそんな一冊との出会いがあるかもしれませんね。