課題図書紹介
一般入試の休みを挟み、2月13日に確認テストがあります。読書を楽しんでください!
📖ミヒャエル・エンデ『モモ』岩波少年文庫
✍――時は金なり。 時間は貴重だ、節約しなくてはならない。――
今の私達の生活の中では、こういった時間の節約が重要だと言われていますね。時間には限りがある、それをムダなことに費やしてはならないと。私達はいつもこの節約に追われ、慌ただしい日々を送りながら「忙しい」「時間が無い」と言っています。…果たしてその時間を、ちゃんと大切なことに充てられているのでしょうか?
『モモ』は、そんな現代社会に生きる私たちに問いかけを投げかける物語です。この本は、不思議な少女モモが、大切な人々の「時間」を奪う時間どろぼうと戦い、失われかけた時間を取り戻そうとするお話です。
確かに、時間の節約はとても大切です。しかし、人生は効率だけで成り立っているわけではありません。自分のためにゆっくりと時間を使い、誰かと心を通わせることの大切さ──『モモ』はそのことを私達に気づかせてくれる一冊です!(5組Iさん)
📖梶井基次郎『檸檬』ハルキ文庫
※所収作品「檸檬」「城のある町にて」「Kの昇天――あるいはKの溺死」「冬の日」「桜の樹の下には」 の計5編です。
✍あなたには前は大好きだったが、もう心が離れてしまったものはあるだろうか?
わかりやすく華やかで、お金がかかっていて価値が保証されているものは私達にとてつもない高揚感を与える。
しかし一度憂鬱になると、それらを受けつけなくなり、それらが私達を縛りつけ不自由にしてしまう。
「檸檬」には心に不吉なかたまりを抱えている男がでてくる。
男は病気を患い、金もなかった。しかし、不吉なかたまりの原因はそこにはなかった。
男は、以前大好きだった音楽をかけても、その不吉なかたまりを振り切ることができなかった。
このかたまりがましに成るのは、がらくたが散らばる街をみて違う都市を夢想したり、安っぽくはっきりとした色の花火やびいどろにふれる時であった。
そういう時には、男はかたまりを完全に消し去ろうとして丸善という高級品店で贅沢をしようと考える。
かつてはそこで舶来の高級品をみて回り、最後に少し高い小物を買って楽しい日を過ごしていたが、今の男には男には重苦しく感じるだけであった。
同じように憂鬱な日に街の果物店歩いていると、見慣れない輸入品の檸檬が目を引いた。そのはっきりとした色と南国の雰囲気を漂わせる檸檬に、男は今までにない高揚感を感じた。その独特の形や冷たさは男を引きつけるとともに、不吉なかたまりが少しましになったように感じた。
そして男は檸檬という希望を持って、憂鬱の巣窟である丸善へと足を進める…。
海外の物や文化であふれた大正時代の雰囲気や、今に通じる人の価値観など様々な視点から楽しめる本作品を、是非読んで確かめてほしい。(6組 H君)
📖伊藤昌亮『炎上社会を考える-自粛警察からキャンセルカルチャーまで 』中公新書ラクレ
✍私たちが毎日のように目にする「炎上」。皆さんはそれをどのように見ていますか。客観的に捉えられていますか。それとも、つい感情的になってしまってはいませんか。
炎上は、単に特定の個人を批判する行為にとどまりません。その背後には、社会に潜むある原理や構造が存在し、それが炎上社会を加速させています。知らず知らずのうちに、私たち自身もその渦に飲み込まれてはいないでしょうか。
この本は、炎上はなぜ起こるのか、誰がそれを加速させているのか、そして「正しさ」とは一体誰が決めているのか――炎上の裏側に隠された真理を明らかにしていきます。
炎上とどのように向き合うべきなのか。ぜひ読みながら、考えてみてください。(7組 Iさん)