PBL発表会(2月19日LHR)

 昨日のLHRは「PBL発表会」を開催しました。

「PBL」とはProject Based Learningの略で、自ら問いを立てて、自分なりに根拠を探し、答えを導き出す学習活動です。つまり、現行カリキュラムで実施している"探究学習"のこと。

中杉の探究学習は「C.S.Journey」(※C.Sは「中杉ChuSugi」と「Creative Self-motivated」を掛けています、知ってましたか?)と呼んでいますが、3年間かけて社会に出る準備をし(1年次)、仲間と試行錯誤しながら社会に参画し(2年次)、自立に至る(3年次)…という旅になぞらえています。

昨日は1年生のフィールドワークの発表1つと、3年生の研究発表3つを皆で聴きました。


フィールドワーク代表として発表したのは浅草3班の皆さん。「観光地浅草では、ゴミ問題にどう取り組んでいるのか」というテーマを立て、仮説を考え、現地で実際にインタビューや調査した結果わかったことを発表しました。



人力車に乗ってもお店に入ってもゴミ対策についてインタビュー、散策中もゴミが落ちていないか歩道をくまなく観察…なかなか普段の観光ではやらない行為ですよね。笑
フィールドワークならではの、いつもと違った視点から街が見えてきたのではないかと思います。
この班は現地訪問を終えて、日本語・中国語・ハングルでポイ捨てを呼びかけるポスターを試作していました。自分達にできることをやってみようと一歩踏み出す、探究でとっても大切なことですね!


続いて3年生3名の卒業論文&理数探究発表を聴きました。
①「聞くことの意義~東日本大震災の語り部に基づく胸に迫る語り~」
文コース・石川さんの卒業論文発表です。

石川さんは、昨年研修旅行で訪れた東北で聞いた語り部の方による震災のお話に強く胸を打たれたことをきっかけに、「なぜ語りが人々の心に響くのか」「語りは震災の教訓を受け継ぐツールとなり得るのか」という視点から卒論を執筆しました。研修旅行で聞いた語りの文字起こしをしたり、YouTubeでの語りの記録を再生しながら内容を分析したものを表にまとめた結果、書物や資料に触れるだけでなく、対面で"聞く"ことが大切なのだという結論に至りました。


②「ラーメン二郎論~「食べログ」の口コミから見るラーメン二郎における付加価値の創造~」
文コース・金子さんの卒業論文発表です。

「ラーメン二郎」って盛り方がワイルドで、グルメな客層を取り込もうとしているかというとそうでもなさそう…でも、いつも店外には長蛇の列。この現象はなぜ起こるのだろう?と不思議に思って立てた問いに基づき展開した分析を披露してくれました。金子さんは有名なラーメン四店の食べログレビューからそれぞれの頻出用語を抽出。他店と比較し、ラーメン二郎は「モノ消費」でなく「コト消費」の路線を強く打ち出していることが成功しているのだ、ということを明らかにしました。


③「中杉学食アプリの作成」
理コース・塚本さんの理数探究発表です。

塚本さんは、学年が上がるにつれ距離が遠くなっていく学食の券売機にちょっと不便を感じ、どこにいても誰もが手軽に注文できるアプリがあればいいのに!と思い、試作。学校では教わらないプログラミングの方法を独学でマスターし、縦スクロールがいいか横スクロールがいいか、写真をどう入れたらいいか、等あれこれ工夫を重ねた作品を紹介してくださいました。ログインしてからメニューを選ぶまでとても簡単!まだ決済機能が搭載されていないのだけれど、理数探究は先輩の成果を受け継いで次の代でさらに改良を進めることも可能なのです。みんなが学食まで行かなくても注文できるようになる日はそう遠くないかも…そして、それを実現させるのはみんなの中にいるかも…?



どれも素晴らしい発表で、ワクワクしながら聴き入ったひとときでした。
2年後の自分を想像したり、どちらのコースに進むか改めて考えたりする機会となりましたね。再来年、この舞台に立って発表しているのはあなたかもしれません。

C.S Journeyの道のりはまだあと2年続きます。来年度もたくさん試行錯誤して、ときには失敗もして、探究を楽しんでいきましょう!


※今回の司会は委員長2名にお任せしました。見事な進行でした!

質問は完全にアドリブです(↓こんな原稿があったのみ…笑)。
でも、私達が知りたいと思えるいい質問ばかりを投げてくれましたね、3年生からのご回答を聞くことでより理解が深まった思いがしました。おかげでとてもいい会となりました。