課題図書紹介『夏の庭―The Friends』

この本で「100察課題図書の旅」も56冊目! 読書の秋です、文化祭という大きな行事も終えてホット一息、ぜひ本を手にとって静かな時間も愉しみましょう。


湯本香樹実『夏の庭―The Friends』(新潮文庫)



✏️『夏の庭―The Friends』は、小学6年生の三人の少年が、一人暮らしの老人との交流を通して「生と死」や「人とのつながり」を学んでいく物語です。

 少年たちは初めのうちは「死」を観察の対象として老人に近づきますが、やがて老人の孤独や戦争体験に触れることで、老人との絆が生まれていきます。

 老人との関わりを通じ、彼らは死を恐れるのではなく、生をより深く理解し、命や人間関係の意味を見いだしていきます。その過程は青春の一場面のようでもあり、命には必ず終わりがあるからこそ、人生の美しさが際立つことを再認識させられる作品でした。失われることへの恐怖よりも人との関わりによって生まれる温かさに目を向けたいと思いました。(1組 Nさん)