課題図書紹介 瀬谷ルミ子『職業は武装解除』(朝日文庫)

中央大学ご出身の瀬谷ルミ子さん。3年前、オンラインでご講演をいただいたことがあります。
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瀬谷さんご自身も、お話も、すっごく素敵で心が震えました。いつかまた、62期のみんなとも一緒にこのような機会が持てたらと思います。
📖「武装解除」とは兵士たちから武器を回収し、一般市民として生活していけるように訓練を施し社会復帰させる仕事のことです。この本では、なんの取り柄もなかったと自負する筆者がなぜ行動を続けてこられたかなどが描かれています。私はこの本を読んで二つのことを考えました。

 一つ目は紛争についてです。自分が今まで全く耳にしなかった「武装解除」という新たな観点から紛争によって残る影響などについて考えさせられました。

 二つ目は最初の一歩を踏み出すことの大事さについてです。冒頭に書いてある「最初の一歩を、勇気を出して踏みだすだけで、いろんなことが動き出し、見える世界が大きく変わり、出会う人々が大きな変化を与えてくれる」を読んで自分も勉強にしても何にしてもなかなか最初の一歩を踏み出せずにいることはあるので、まずはどんなことでも一歩踏み出してみることが大事だと気づきました。

 なかなか最初の一歩を踏み出すことができないという人におすすめの本です。(8組S君)


📖この本は、中杉生の多くが進む中央大学を卒業した著者・瀬谷ルミ子さんが「武装解除」を職にし、様々な困難と立ち向かいながら平和へ貢献してゆく自伝書です。

 普通の高校生活を送っていた少女を紛争解決、武装解除の道へと導いたのは新聞に掲載されていた1つの写真であった。それはアフリカの小国ルワンダで発生した大虐殺の難民キャンプの親子の写真だ。コレラによって衰弱してしまった母親を必死に泣きながら起こそうとする小さな子どもの写真に大きな衝撃を受けたのだ。紛争解決の手がかりとして国際的な学びを得るために中央大学総合政策学部に進学した後、実際に紛争や虐殺が起きた現地にも赴き彼女自身の無力さを感じた。次第に、より専門的な学びを得たいという思いが強くなりイギリス、ブラッドフォード大の紛争解決学修士課程へと進む。

 NGO勤務から、外務省、国連PKOそしてJCPP(REALs)など様々な立場でアフリカやアジアの紛争解決へ取り組み、イギリス政府の「International Leaders Programme」やニューヨーク・タイムズ「世界に影響を与えた10人の女性」などに選出されるまで成長した彼女の物語は、私たちに戦争や紛争などが実際に国内で起きていない幸せさを再確認させるとともに、今まで考えてこなかったような世界に目を向けるきっかけを作ってくれるだろう。(1組H君)