芸術鑑賞教室開催

 今年度の芸術鑑賞会は、能楽鑑賞でした。

狂言大藏会の皆様にご来校いただき、狂言とお囃子をご披露いただきました。


御神木の松を背に、大藏彌太郎さんがご挨拶を。「ヤッタローって呼んでくださいね!」と沸かせてくださいました。

狂言は、(ギリシャ悲劇が一時途絶えたことを踏まえると)世界で最も長く続いている劇だとか。室町時代から続く笑いの世界をご堪能あれ、とまずは『寝音曲』を。
膝枕をされているときにしか謡えないんです、と嘯く太郎冠者。ところがその設定を間違えてしまい、開き直ってついには舞い出します。皆、思わず笑ってしまいました。

続いては体験コーナーです。1年生も2人登壇!

まずは構えを。腰を落とし、手は、武士なので隙がないように…と指の間を空けずにきちっと揃えます。教えてくださったのは大蔵流狂言二十七世当主となる章照さん。なんと、同じ高1生とのこと!居住まいが立派で、お腹から声が出ていて、皆を盛り上げるのも上手…すっかり魅せられました。

皆、舞台に釘付けです。

こちらは"キノコの妖怪"の役になりきった演技体験。コミカルな動きに皆どっと笑いました。

狂言での笑い方も教えていただきました。

お腹の底から声をしっかり出して笑います!

泣き方も教わりました。感情を大きくわかりやすく真剣に表現すると、作品の面白みがよく伝わるのだなあと思いました。みんな、なりきっていて、ユーモラスで素敵でした!

続いての演目は『附子』。太郎冠者と次郎冠者が主人に「近づかないように」と固く禁じられていた桶の中には甘くて美味しい砂糖が…。ついつい二人で全部平らげてしまいます。交互に夢中で貪る様子に、あらあらあら…と笑ってしまいました。この太郎冠者は次郎冠者より年下。太郎冠者はバイトリーダーみたいなもの(年下だけど目上の存在)、次郎冠者はシルバー雇用みたいなもの(年上だけど目下の存在)、という説明もなるほど~と納得。ちょっと次郎冠者に甘えるような太郎冠者。二人の関係性も面白かったですね。

続いて素囃子を演奏くださいました。笛や鼓の音が会場に響き、会場がいつもとは違う和の空間に。それぞれの和楽器が織りなす調べを楽しみました。

最後の演目は『柿山伏』。国語の教科書で読んだことがある人も多かったようです。鳶の鳴き真似をしながら飛び降りる山伏に、これまた笑いが。ちょっと羽目を外してしまう、うっかりノッてしまう人達の滑稽な姿を軽妙に描き出す、これが狂言の魅力なのかなと思いました。

本当に楽しく、あっという間のひとときでした!テストでずっと気持ちや身体がぴーんと張っていた日々でしたが、たくさん笑い、ふっと緩めることができましたね。
大藏会の皆様、ありがとうございました。