冬の課題図書紹介 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(ハルキ文庫)

宮沢賢治の短編集。所収作品は「銀河鉄道の夜」「雪渡り」「雨ニモマケズ」(詩)です。青空文庫でもこれらの作品が読めます。


📖特に心に残ったのは「銀河鉄道の夜」だ。

この話は、いじめや仕事など、大変な日々を送る主人公のジョバンニが親友のカンパネルラと銀河鉄道に乗って、銀河を旅する話だ。

 この物語では、孤独を感じているジョバンニが、カンパネルラとともに、銀河鉄道に乗車してくる様々な人と出会うことで、「幸い」(幸せ)を追い求めている。作品の中では生きている人と死んでしまった人、生きるのが辛い現世と美しくも恐ろしい銀河、生きている人は、幸せを追求することができる。でも、亡くなった人は、現世での幸せを掴むことができない…これらの対比が綺麗に描かれている。

 人は亡くなったらどうなるかわからないし、遥か遠くの銀河のこともわからないけど、この本は、読者たちに様々なことを考えさせることのできる、不朽の名作だと思う。ぜひ、この本を読んで、ジョバンニとともに銀河鉄道に乗ってみてほしい。(4組 S君)